よいとまけ、参加者募集!

よいとまけ

住まいの地固めワークショップ「よいとまけ」の参加者を募集しています。

と き  2021年 3月30日(火)9:00-15:00
ところ  志摩市阿児町立神

問合せ  kigumie@gmail.com
     090-4466-2905 東原

ご参加お待ちしてます。

志摩市の小学生が焼けた「薬師堂」を改修 真珠貝の殻でしっくい壁装飾

伊勢志摩経済新聞掲載2015.10.19

志摩市の小学生が焼けた「薬師堂」を改修 真珠貝の殻でしっくい壁装飾

志摩市の小学生が焼けた「薬師堂」を改修 真珠貝の殻でしっくい壁装飾 

5年前に焼失した志摩市阿児町立神の「薬師堂」を再建するために現在、地域の人や地元立神小学校に通う児童らが年内の完成を目指して協働で取り組んでいる。

【その他の画像】「薬師堂」改修に地元小学生らが協力、真珠貝の殻で漆喰の壁を装飾

 薬師堂には「薬師如来坐像」が安置され古くから多くの人の崇拝の対象となっていた。1618(元和4)年に薬師堂を修理した記録が残ることからそれ以前から同地にあったとされるが詳細は定かではない。1976(昭和51)年に大修理を行ったが、2010年8月に出火し取り壊しになっていた。薬師如来坐像は辛うじて難を逃れた。[広告]

 「薬師如来坐像を安置する場所を」と同地区の住民らの思いが募り昨秋、地元有志が保存堂建設委員会を立ち上げ、住民から寄付を集め建設費用を調達し今年3月から跡地の一角で着工した。

 同小学校から目と鼻の先にある立地の建築現場には、何度も児童が足を運び実際の作業に関わった。

5月には土壁の骨組みとなる仕立てかき(竹小舞)づくりや荒壁塗り、9月には拝殿となる場所の三和土(たたき)土間づくり、10月には地元英虞湾の同地区で取れたアコヤ貝の真珠層が美しい貝殻を割ってしっくいの壁に貼る作業などをそれぞれ手伝った。

 薬師堂再建に関わる東原達也さんは「柱にはヒノキやスギ、三和土土間には地元産のカキを焼いて作った消石灰、土壁の土など…。可能な限り地元産の材料を使った。瓦は三河産だが伊勢志摩特有の『安田袖瓦(あんだそでがわら)』を使った」と説明する。

 同校校長の八重嶌敏一さんは「地域の伝統文化を子どもたちに伝えるいい機会を作っていただいた。2018年に学校が統合され今の学校が廃校となる。今のうちに小規模学校ならではの小回りの利く授業を体験させ、少しでも地域への思いを根付かせたい」と話す。

 東原さんは「地元の子どもたちが自分たちで作ったお堂を大人になっても親しみを持って手を合わせてくれるようになれば。昔は『立神大工』という言葉があったほどこの地区には大工が大勢いた。願わくは、将来修繕が必要になった場合にこの子たちの誰かが直してくれるようになれば」と願いを込める。

 薬師堂の大きさは奥行き約2.7メートル、横約2.4メートル、高さ約3メートル。今年中の完成を目指す。

志摩で「石の上に家」 古き良き建築構法後世に 土壁塗りワークショップも

伊勢志摩経済新聞掲載2019.11.19

志摩で「石の上に家」 古き良き建築構法後世に(撮影=岩咲滋雨)

志摩で「石の上に家」 古き良き建築構法後世に(撮影=岩咲滋雨)

 志摩市阿児町の竹内和彦さんと妻の千鶴さんが現在、昔ながらの「石場建て」の建築構法を使い石の上に住宅を建築している。

【その他の画像】石の上に家

 建築現場は、入り組んだリアス式海岸の英虞湾近くにある、約2800 坪の高台の森の中。地域の伝統建築の良さを大切にしている東原建築工房(志摩市阿児町立神)が施工を担当する。

 「石場建て」の住宅を新築するに至ったきっかけは、同敷地内に生命保険会社の支店長などを歴任した徳島県阿波市出身の猪子彌平(いのこやへい)さんの住居として1934(昭和9)年に建てられた築85年の「旧猪子家住宅」があり、その住宅の木造平屋建ての主屋と土蔵、門柱が「第二次世界大戦後に伊勢志摩国立公園となり、保養地としての利用が進んだこの地域の和洋折衷の建物の先駆け的な建造物」として2018(平成30)年3月27日に国の有形文化財(建造物)として登録されたこと。

 千鶴さんは「志摩地域の文化のプラットホームになればと、『旧猪子家住宅』の利活用のために、より自由なスペースの必要性を感じ、新たに寝泊まりも可能な建物を作ろうと考えた。せっかく作るのなら、古き良き建築構法を守ろうとしている東原さんにお願いしたいと依頼。実際に柱が立ち家の形を成してくると、やってよかったと満足している。これから竹を編んで土壁を塗ったり、もみ殻を屋根や床の断熱材に使用したりと地域の材料を有効に利用しながら、住むだけでなく、技術の伝承にもつながれば」と話す。

 しかしながら耐震偽装事件以降、今の建築物は、より多くの手続きが求められるようになり、石の上に柱が載っているだけで、建物と礎石との縁が切れている「石場建て」の家は、現在の建築基準法にはその位置付けがないに等しく、通常の確認申請でなく、限界耐力計算で構造安全性を証明し、構造適合判定の審査に合格することが求められるなど、新築するための条件が厳しくなっている。

 東原建築工房代表の東原達也さんは「2階建て以上の石場建てに必要な構造計算方法は手続きが煩雑だったり、計算できる人がいないため申請のハードルはさらに高い」と現状を説明する。三重県の建設開発課の担当者も「20年以上勤務しているが、三重県内で石場建ての建造物に関わったのはたった1度だけ」と打ち明ける。

 「木組み、土壁、石場建てなどの伝統構法の良いところは、その土地にある木材や材料を使いながらその土地の気候や風土に適応しやすい建物となること。昔の家や神社・お寺ではよく見かけるが、現在では石場建ての家を新築しようとする施主さんが少なく、伝統構法が途絶えようとしている。竹内さんには石場建ての良さに加え、その技術の伝承や人材の育成の大切さもご理解いただきとても有り難い。伝統構法の素晴らしさを理解してくれる人が一人でも増えれば」とも。

 11月17日~19日は、竹を編み、土をこねて壁を塗る「竹小舞・土壁ワークショップ」を行う。東原さんは「伝統構法に興味のある人や体験してみたい人は自由に参加していただければ。みんなで楽しく、昔ながらの土壁づくりに挑戦してもらいたい。簡単な昼食とおやつ付き。軍手と飲み物持参、作業可能な服と靴で来ていただければ」と呼び掛ける。問い合わせは東原さん(TEL 090-4466-2905)まで。