旧猪子家住宅主屋

施工事例

1934(昭和9)年木造平屋建、瓦葺、建築面積95㎡
三重県志摩市阿児町神明前方693-8
登録有形文化財(建造物)
2018(平成30)年3月27日登録

生命保険会社の支店長などを歴任した徳島県阿波市出身の猪子彌平(いのこやへい)さんの元住居として昭和初期に建設された。
木造平屋建ての主屋と土蔵、門柱が「第二次世界大戦後に伊勢志摩国立公園となり、保養地としての利用が進んだこの地域の和洋折衷の建物の先駆け的な建造物」として国の有形文化財(建造物)として登録された。

古民家再生

日本漆喰協会作品賞

選考評

歴史を感じられる建物の風格を、淡い色漆喰が素材感を残しながらしっかりと伝えている。自ら作業に加わりながら、妥協せず可能な限り以前の姿を取り戻そうと設計・施工・左官へ積極的に働きかけた施主の情熱は地元の宝を復原するに至り、本作品は国の登録有形文化財ともなった。情熱とともに後世へ伝えるべき財として活用いただきたい

受賞者のコメント

 この旧猪子家は、約 2800 坪の森の中に建ち、「志摩における文化のプラットフォーム」となるべく、様々な人たちが関わる場所である。
施主や施工者の深い地元愛を表現するため、この漆喰の中には、真珠を加工する際に出る真珠粉を混ぜ込んでいる。今後この場所が
志摩の発展のため、地域で深く根付いていくことを切に願う。